拳銃と目玉焼

日本での公開は2014年の10月17日です。 動画は113分でした。




安田淳一監督が一念発起して自主制作した作品。

試写会で来場者から好評を得て、次々と映画館で上映された。

ついに全国レンタルされるまで上り詰めました。


現代の犯罪に立ち向かう昭和ヒーロー
それは小さな恋心によって立ち上がった中年男。

新聞配達員でプラモデルが趣味の志朗だ。


彼女の為に試行錯誤し、
本物のヒーローになるとする志朗の真っ直ぐな気持ち。

実に健気な姿であった。


プラモデルが趣味であるけど、
その設定が活かされているのは素晴らしい。


ヒーローに目覚めた中年 【拳銃と目玉焼】レビュー



もう一人の主人公とも言えるユキ。

志朗が好きになった喫茶店員のユキ。

だけど、彼女には裏の顔があった。


この仕掛けはビックリするだろう。

フワッとした雰囲気のユキから想像つかない。

これは逆に物語を動かす事になる。


脇役も悪くない。

志朗をヒーローに仕立て玩具工場社長坂本のオッチャン。

喫茶店のママでユキを気に懸けるオバチャン。

喫茶店の常連でユキの真実を知ったタクシードライバー。

みんないいヤツ。


しかしながら、本作は物語が進めば進むほど深くなる。

単なるヒーローに目覚めた中年が活躍する物語じゃない。

本作は一人の女性を地獄から助け出す中年男性の物語。



低予算だからこそ練られた構成

低予算だからこそ欲を出さない。

低予算だからこそ魅せてくれる。


志朗はヘタレで弱い。

それでも意思は強い。

絶対に負けない心を持ち、
その為に立ち上がる正義、
そしてヒロインの為、
志朗は何度でも立つ。


自主制作から飛び出した名作。

これこそが哀愁を背負ったヒーローの姿、ここにあり!


★★★☆☆

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動画 あらすじ 予告編~拳銃と目玉焼~

新聞配達員の志朗は心優しいひとり者の中年男。 志朗の至福の時間、それはコツコツとプラモデルを組み立てている時と、ひそかに想いを寄せるユキが働く喫茶ノエルで 彼女の作った目玉焼モーニングを食べている時だった。 「近くに出没した痴漢を退治してください」 憧れのユキの冗談を真に受け、志朗は恐る恐る深夜の街に出かけて行く。 しかし肝心の痴漢に出くわす事もなく、替わりにオヤジ狩りにあっていた町工場の社長阪本を「結果的に」助ける事となる。 無様な成り行きに、そそくさとその場を立ち去る志朗。 翌朝喫茶ノエルに顔を出すと阪本の姿があった。 「オヤジ狩りの悪ガキどもをイテもうたろう」 復讐に燃える阪本の誘いを断りきれない志朗は、 オートバイ用のプロテクターをネット通販で購入し、完全防備で参加する事になってしまう。 阪本の立てた単純かつ卑劣極まりない作戦は意外な展開を見せつつ「結果的に」成功し、初老と中年のオッサン二人は 泣いて詫びる不良少年達をボコボコにイテコマスのであった。 新聞に載った「オヤジ狩り少年、返り討ちにあう」と言う記事を見たユキは、「間違った事を許さへん人、好きやなぁ」と感心してしまう。 その一言は志朗のヒーロー願望に火をつけた。バージョンアップを繰り返し、徐々に形となっていく志朗のヒーロー。 怪しく光る緑の眼、黒光りする手製の仮面が完成した頃、ユキを巡り物語は新たな展開を見せ始める・・・

2014年/日本(C) 未来映画社